返らじと 兼て思へば 梓弓
なき数にいる 名をぞとどむる

田畑を開拓し、産を成した土豪が土地を守るため 一所懸命に生死を賭して競い合い、実力集団として現れてくる その競いは文武を磨き、忠孝心などの道徳を磨き、死生観を磨く美意識の競い合いでもあり、 やがて武士道として民族の骨格を成す精神に育ち、八百年に及ぶ武家政権の基盤となってゆく 源平の将星の咲かせた精神は、今もリーダーシップの根幹として、脈打っている

平 将門

豪雄無双の将門が咲かせた阪政政権は、淡雪のごとき儚さであったが その武勇と仁愛は明神として祀られ、今も神田の神興に輝いている。。

源 義家

雁の乱れに伏兵を知り、戦のなかに歌心を忘れず、乏しきも部下に分かつ理想の武人 義家の咲かせた文武の華は、八幡社に祀られ 今も村落を鎮守している。

平 清盛公

武人として、 はじめて経済の道を切り開いた公は、新しい交易立国をめざし、 福原への遷都を計ってゆく。 世界につながる繁栄の夢が、 時勢に拒まれたこと惜しまれてならない。

木曽 義仲

天下取りの夢に養育された義仲の香気は、雪国のつわものどもを振いたたせ、なだれをうって都を呑みこんでしまう。 雪に似た義仲の天下は、次代に教訓を残し、鎌倉幕府につながってゆく。

源 頼朝 公

時勢に賭けて政権を得た公は、 平家や義仲の轍を踏まず、鎌倉に幕府を開いてゆく。成敗文明にして、理非断決を誤らなかった公の英智は、孤独な 20 年の思索が育んだのではなかろうか。

源 義経

勝者の華やかさ 敗者の哀れさ、 英雄義経の軌跡は、今も鮮やかに語り継がれている。一の谷の断崖も、屋島の渚も、英雄の蹄の音や、胸の高鳴りを忘れてはいまい。

平 敦盛

非力で、聡明な美少年が思いを詰めて選んだ道が、美しい死の演出であった。時と場所と相手と見事な演技、幼将敦盛の輝かした平家の名誉を歴史は忘れることが出来ない。

楠 正成

天皇親政の風雲を予知した臥竜正成は、見事な兵法で天下に姿をあらわしてくる。 千早の砦に起こった風雲は、嵐を呼び 鎌倉幕府を吹き飛ばしてゆく。

新田 義貞

源氏の頭領を自任する英雄義貞は、北条政権の乱れに乗じて鎌倉を突いてゆく。海神に件を奉じる名将の勇姿は、 稲村ヶ崎の波涛に今も寫されている。

足利 尊氏

源家総領の血統を自負する尊氏は、風雲に乗じ 累代のライバル北条政権に反旗を翻してゆく。尊氏の豊徳よく激流を制し、室町幕府をあらわしてくる。